東京の方谷さんを広める会より「山田方谷大河ドラマ実現」に向けて12月7日に橋本徹実行委員会共同代表、近藤高梁市長方々がNHKの松本会長にアピールに伺いました。

その時の原稿をいただきましたのでご紹介します。


NHK大河ドラマ「山田方谷」

放映のお願い

「雲中の飛龍 山田方谷」NHK大河ドラマ放映
 実現を求める全国100万人署名運動実行委員会

日本放送協会 会長 松 本 正 之  様

備中松山(現在の岡山県高梁市周辺)の五万石の小藩から徳川幕府の最後の筆頭老中に上り詰めた板倉勝静から「方谷山田先生」と墓石に刻まれ、「備中聖人」と呼ばれた人、その名は「山田方谷」といいます。
方谷は、幕末における政治家、陽明学者であり教育者でありました。財政破綻に陥り多額の借金に苦しんでいた備中松山藩において、財政再建を見事成し遂げ、大きな足跡を残した財政改革者でもあり、天下にその名を馳せていました。
 藩の元締役兼吟味役(藩の大蔵大臣)を務めたわずか7年間に鉄製品等の特産品の育成や新しい時代の潮流に乗った産業政策、また、信用のなくなった旧藩札を藩民の前ですべて焼き払うという画期的な手法による藩札刷新政策等の7大政策を断行し、10万両(約600億円)の借財を逆に10万両の蓄財にしました。
 その成功により、藩主板倉勝静(松平定信の孫)は、15代将軍徳川慶喜の筆頭老中となり、大政奉還など、幕末の動乱期における幕府側の第一人者になりました。
方谷も藩主板倉勝静と一緒に江戸に出て、幕府の顧問になり、幕政にも関与しました。
さらに明治維新では、朝敵とみなされた備中松山藩を無血開城に導き、城下を戦火から救いました。
 また、方谷は、教育者としても知られ、夢を持つことの重要性を説きました。藩校有終館の学頭を務め、私塾「牛麓舎」等を開き、多くの門人たちを育てました。明治維新後は、岡山県の閑谷学校(国宝)の再興にも尽力しました。
 主な門人としては、河井継之助(司馬遼太郎「峠」の主人公)や三島中洲(大正天皇の侍講であり、二松学舎大学の創設者)、川田甕江(大正天皇の侍講、新島襄の先生)、福西志計子(社会福祉事業、女子教育に尽力)などがいます。
 さらに方谷の家の近くには、近藤勇新選組局長の養子になった谷周平など、谷三兄弟も住んでいました。
 方谷及びその弟子たち、藩主板倉勝静の活動範囲は、岡山県全域のみならず、江戸、大阪、京都、新潟、東北、北海道(函館)など、日本全国に及びます。
 方谷は、「至誠惻怛(誠意を尽くし、人を思いやる心)」と「士民撫育(全ては藩民のため)」の精神や「事の外に立ちて事の内に屈せず(大局に立ち、目先の問題にとらわれない)」等の理念で藩政改革を実行したというだけでなく、自ら範を示しながら「誠」をもって人間教育を実践した人であります。
 国内外で度重なる大災害や世界的な経済危機による世情不安などで、混迷を増す現代日本であります。こうした今だからこそ、現在の日本にあまり知られていない新しい視点である「山田方谷」の改革理念とその手法に学び、日本中が一つとなり、対処していかなければなりません。
こうした中、その参考にすべき改革手法などをこの「山田方谷」に学ぼうと広く呼びかける会が、全国各地で発足しています。
橋本徹株式会社日本政策投資銀行社長と大橋洋治全日本空輸株式会社会長の両氏を共同会長とし、小長啓一経済産業調査会会長を名誉顧問、樋口公啓東京海上日動火災相談役を代表顧問、徳川斉正水戸徳川家当主(徳川慶喜将軍の曾孫)を顧問とした「東京の会」、そして伊藤謙介京セラ株式会社相談役を会長とする「近畿の会」が発足し活動をしています。岡山では、岡﨑彬岡山県商工会議所連合会会長を代表とし、西本和馬岡山県商工会連合会会長を副代表として岡山県全域など全国をカバーする「応援連絡会」ができています。他にも広める会の「高梁の会」、「新見の会」、「倉敷の会」が次々と発足しております。さらに行政組織として、高梁、新見、真庭の3市による「顕彰連絡会」も発足して活動を展開しています。全国に目を向けると、札幌、埼玉、大阪、愛媛、福岡、沖縄などで、発足または準備をしています。
山田方谷を全国に発信していくための体制づくりが全国各地域で着々と進められております。
江戸末期の閉塞感と現代の状況は似ているといわれています。そういう時こそ、財政再建を成功させ、夢をもつことの重要性を説いた方谷の生き方や周囲の人々の生き方は、現代人の道標になります。方谷の大河ドラマを通じて日本新生の機運を高めることができるものと確信しています。
地元高梁や倉敷・新見をはじめ特に「方谷さんを広める会」が発足をしている全国の各地域では、「山田方谷」の大河ドラマ実現に向け燃え上がっています。
岡山県には、閑谷学校、備中松山城、岡山城などの全国に誇れる文化財、田園風景、瀬戸内海など、見どころも多く点在しております。また、中国地方にも多くの観光資源があります。山田方谷とともにこれらの地域のよさを全国に発信していければこの上ないと考えています。
 また、私共山田方谷顕彰関係者は、「雲中の飛龍 山田方谷」NHK大河ドラマ放映実現を求める全国100万人署名運動実行委員会」を立ち上げ、去る、10月24日岡山市内のホテルにおいて記者発表会を開催し、現在その実現に向け全国各地で活動を展開しております。
 これまでの大河ドラマでは、過去50回を超える中で、岡山県を舞台とした大河ドラマは放映されていません。
松本会長様におかれましては、是非とも岡山県をはじめとして、私共や署名をいただいている多くの皆さんの熱い思いをどうかご理解いただき、是非「山田方谷」を大河ドラマにお取り上げいただきますようよろしくお願い申し上げます。

平成24年12月7日

「雲中の飛龍 山田方谷」NHK大河ドラマ放映実現を求める全国100万人署名運動実行委員会」
共同代表者  株式会社日本政策投資銀行
代表取締役社長  橋 本   徹
    同     全日本空輸株式会社
取締役会長  大 橋 洋 治
  同     京セラ株式会社
相談役  伊 藤 謙 介
    同     シップヘルスケアホールディングス株式会社
代表取締役社長  古 川 國 久
    同     岡山県商工会議所連合会
会 長  岡 﨑   彬
  同     岡山県商工会連合会
会 長  西 本 和 馬

同     高 梁 市 長     近 藤 隆 則