九州遊学を終えて備中松山に継之助が帰ってきた。どうやら方谷はまだ帰っていない。
継之助は方谷の帰りをひたすら待った。
そして方谷帰藩、しばらくして継之助は長瀬の自宅での学習が許可された。

それから約半年、継之助が長岡に帰るときが来た。
継之助は方谷の愛蔵の「王陽明全集」を譲ってもらいたいと交渉、4両にて譲り受けた。
方谷は全集の巻末に継之助に送る文章を書き、薬と一緒に継之助に渡した。
継之助は長瀬の自宅から川を渡り対岸の榎木の元まで行き振り返る、そこにはまだ継之助を見送る方谷の姿があった。
継之助はその場に土下座し、大声で叫んだ。
「先生、ありがとうございました。お体に気をつけて–」