4才にして字を書くまでに成長した方谷にさらに学問を積ますために両親は幼い方谷を一人新見の儒学者-丸川松隠の元にやる。方谷はそこで神童ぶりを発揮しついには新見藩主にお目通りとなる。

そんな折、丸川塾で学習をしていた方谷に悲報が飛び込む、妹美知が病死したという。
方谷9歳のとき、丸川塾に松陰をたずねてきた客が、神童の噂の高い方谷が、木陰の下で熱心に本を読んでいるのを見つけてからかうつもりで聞いた。

「アリン君、君は何故学問をする?」「治国平天下」方谷少年はにこりとほほえんで答えた。

盆と正月、半年に一度方谷は実家に帰った。門にもたれて、我が子の帰りを待ちわびる母がいた。
わずか数日実家で過ごし、丸川塾に帰る方谷に母はとても短い手紙を渡した。
「学問にはげみなさい、体には十分きをつけて」