牛麓舎開校が開校し、様々な入門者が方谷の元に集ってくる。方谷はいよいよ自分の念願だった私塾での授業を始められると意気込む。そんな折、世継ぎのいない藩主勝職の元に養子がやって来ることとなった、方谷は勝職から直々に養子勝静の教育係を任命される。

板倉勝静22歳、松平定信の孫にあたる。その凜々しさは藩民が皆目を引くものだった。
方谷の教育を受ける勝静はメキメキと頭角を現してゆく。
ある方谷は勝静にたずねた、「君主はいかにあるべきか」、そして勝静が書き終えた論文を見ていった。

「若君は確かに立派な君主論を書かれた。しかし、後日君主になった若君の言動が一致するか、その証拠にこの論文をもらい受けたい。」

勝静は笑ってうなずいた。