平成一七年二月二七日、岡山県大佐町において、山田方谷生誕二〇〇年祭の一環として
「山田方谷生誕二〇〇年記念シンポジュウム」が開催されました。
シンポジュウムでは「いま山田方谷に学ぶ」を主テーマとして花岡志郎氏(備前市備前市文化財保護審議会副委員長)、角南勝弘氏(柵原町柵原町教育委員長)、田中里味氏(岡山市.ジュエリータナカ常務取締役)、岡田克三氏(大佐町山田方谷記念館館長)らパネリストが山田方谷を通した教育論について語り合いました。

山田方谷生誕二〇〇年記念シンポジュウムに関する詳細は下記をご覧ください。

山田方谷生誕200年記念シンポジウム

テーマ「いま山田方谷に学ぶ」
趣旨
かつて岡山は「教育県」と言われ、多くの人材を輩出してきました。「目本教育史資料」によると、江戸時代の寺子屋数は、長野・山口に次いで第3位、家塾数は第1位でした。明治になってからも高等女学校の数は全国で一番多かったといいます。このように人材教育に努めてきた先人の思いを、私たちは今の世にも受け継いでいかなければなりません。

さて、現在の我が国の教育を取りまく状況は、ますます混迷の度を増してきているように思われます。どこに問題があるのでしょうか。それは現代の教育に人格教育、人間教育が欠けているからだと思います。今この国に必要なのは人格教育であり、将来をにらんだ基礎教育であります。そのためには、歴史や先人から学ぶことが大事だと思います。幸いにも、私たちの身近に範とすべき先人がいます。

山田方谷(1805~1877)こそ、まさに真に学ぶに足る人物だと考えます。
方谷自身も弟子に、「友に求めて足らざれば、天下に求む。天下に求めて足らざれば、古人に求めよ。」と語っています。

山田方谷には、陽明学者、財政家、教育者、詩人、稀代の藩政改革者と多方面の顔がありますが、方谷の本質は教育者だったのではないでしょうか。
山田方谷の教育の基本は、儒学の精神を主眼とした人間教育にあります。

このことは、人間の評価にあたって、論語にある温(おだやか)、良(すなお)、恭(うやうやしい)、倹(つつましい)、譲(ひかえめ)という価値に重きを置いていることからもうかがえます。

ここ大佐町は、山田方谷の母親の里であり、晩年、方谷はこの地に移り住み、外祖父母を祀るr方谷庵」を結び、そして、小阪部塾を開いて子弟の教育に情熱を注ぎました。

生誕200年の記念すべき年、終焉の地大佐から、教育者山田方谷を通して今の日本の教育をもう一度問い直してみたいと思います。

山田方谷生誕200年記念シンポジウム
《日程》
12時開場、13時開会

《開会行事》
主催者あいさつ(実行委員長岡田克三)
来賓あいさつ(大佐町長梅田和男)
来賓紹介

13時10分基調講演
演題:「日本の教育と山田方谷」

講師:樋口公啓氏(東京海上日動火災保険株式会社相談役)

14時30分【休憩】
14時40分シンポジウム

「いま山田方谷に学ぶ一教育を中心として」
(パネリスト)
花岡志郎氏 (備前市備前市文化財保護審議会副委員長)
角南勝弘氏 (柵原町柵原町教育委員長)
田中里味氏 (岡山市.ジュエリータナカ常務取締役)
岡田克三氏 (大佐町山田方谷記念館館長)

(コーディネーター)
渡辺道夫氏 (岡山市岡山県立美術館副館長)
16時、20分閉会

《閉会行事》
主催者あいさつ(副実行委員長金平敏数)
主催者:山田方谷生誕200年祭実行委員会

後援:大佐町・新見市・哲多町・哲西町・神郷町・高梁市・大佐町教育委員会新見市教育委員会・高梁市教育委員会・高梁方谷会・山田方谷に学ぶ会関西方谷会・NHK岡山放送局・山陽放送(株)・備北民報社・真庭タイムス社・阿哲郡PTA連合会・新見市PTA連合会

大佐発「山田方谷に学ぶ教育10箇条」

平成17年2月27日(日)、岡山県大佐町の.「おおさ総合センター」で、山田方谷生誕200年記念シンポジウムが開かれました。樋口公啓先生(東京海上日動火災保険株式会社相談役)の基調講演「日本の教育と山田方谷」のあと、「いま山田方谷に学ぶ、教育を中心として」をテ-マに討論が行われ、その最後のまとめのところで、「山田方谷に学ぶ教育○箇条」といったものをつくり、大佐発で全国へ向けてアピールしてはどうかとの提案がありました。パネリストの方々から出された意見・提言の概要は次のとおりでした。

第1 まごころといたみ悲しむ心を持って人に接し、うそをつかないで約束は守り、信頼される人間になろう。

【山田方谷の真髄である「至誠惻怛」(まごころといたみ悲しむ心)から】

第2 父母先祖に感謝し、命を大切にする人になろう。
【方谷が母を亡くした直後にうたった「父母や天地(自然)の恩に感謝し、その恩に報いるべく精進する」という漢詩などから】

第3 子どもに対しては、一人ひとりにフェイス・トゥ・フェイスで心を込めて接しよう。また、子どもたちのよいお手本になっているか、常に点検しよう。
【長瀬塾での話しとして伝わっている「この塾に集まった塾生は私(方谷)に学ぼうとして来ているのだから一日に一度は是非とも彼らと顔を合わせる必要がある」という教育に対する態度から】

第4 すぐれた先人の人となり、歴史や古典からしっかり学ぼう。そのためにも、週(月)に一度は図書館で本を借りて読もう。
【方谷が弟子に語ったという「友に求めて足らざれば、天下(世界)に求む。天下(世界)に求めて足らざれば、古人に求む」などから】

第5 目の前のことにとらわれて本質を見落としていないか、新しい時代(状況)にあった判断であるか、”ふりかえり”をしよう。
【山田方谷が弟子の河井継之助と別れるときに贈った言葉「王陽明の真の精神である”至誠”を忘れて、いくら陽明の過去の偉大な事蹟を学んでも定石にはなり得ない。学ぶべきは陽明学の本質であり、修業して自分の心を磨き上げることである」から】

第6 自分だけの利益を求めるのではなく、共に豊かになる方法を見つけ出し実行しよう。

第7 からだを動かして学び、みんなのために汗を流して働こう。

第8 人の役に立つ人間になろう。

第9 家庭や学校、職場で、「おはよう」などの挨拶をしよう。

第10 「ありがとう」の感謝の言葉を出そう。

私たちは、これらの提言を大佐発で多くの人にお伝えしたいと思います。

 

まごころといたみ悲しむ心を持って人に接し、うそをつかないで約束は守り、信頼される人間になろう。
【山田方谷の真髄である「至誠惻怛(しせいそくだつ)」(まごころといたみ悲しむ心)から】

 

父母先祖に感謝し、命を大切にする人になろう。
【方谷が母を亡くした直後にうたった「父母や天地(自然)の恩に感謝し、その恩に報いるべく精進する」という漢詩などから】

 

子どもに対しては、一人ひとりにフェイストゥフェイスで心を込めて接しよう。
また、子どもたちのよいお手本になっているか、常に点検しよう。
【長瀬塾での話しとして伝わっている「この塾に集まった塾生は私(方谷)に学ぼうとして来ているのだから一日に一度は是非とも彼らと顔を合わせる必要がある」という教育に対する態度から】

 

すぐれた先人の人となり、歴史や古典からしっかり学ぼう。
そのためにも、週(月)に一度は図書館で本を借りて読もう。
【方谷が弟子に語ったという「友に求めて足らざれば、天下(世界)に求む。天下(世界)に求めて足らざれば、古人に求む」などから】

 

【山田方谷が弟子の河井継之助と別れるときに贈った言葉「王陽明の真の精神である”至誠”を忘れて、いくら陽明の過去の偉大な事蹟を学んでも定石にはなり得ない。学ぶべきは陽明学の本質であり、修業して自分の心を磨き上げることである」から】

 

自分だけの利益を求めるのではなく、共に豊かになる方法を見つけ出し実行しよう。

 

からだを動かして学び、みんなのために汗を流して働こう。

 

人の役に立つ人間になろう。

 

家庭や学校、職場で、「おはよう」などの挨拶をしよう。

 

「ありがとう」の感謝の言葉を出そう。