■主題:問いかける陽明学 中江藤樹・熊澤蕃山・山田方谷
■著者:高橋文博
■発行:吉備人出版
■仕様:A5判、上製本
■頁数:248ページ
■定価:本体2700円+税

目次
一章 儒教における孝の精神 閑谷学校の原点
二章 原型としての中江藤樹
三章 後の君子を俟つ熊沢蕃山
四章 草野の人山田方谷
補説 陽明学の近世日本における展開
附論 備前心学をめぐる儒仏論争

中江藤樹・熊澤蕃山・山田方谷の3人に共通するのは、
封建制という身分社会の中で人間の本質的平等を主張し、
「道徳」に基づく人間・政治・社会を追究したことである!

山田方谷の思想についての講演・講義のご依頼をいただき、方谷について少しく調べていました。方谷の思想はなかなか奥深いものがあります。方谷は、中江藤樹、熊沢蕃山と同様、王陽明に学びながら深い内省を経て、人間の本質的平等を説いています。この三人は、身分社会の中で、それぞれの仕方で、道徳に基づく人間と社会を求めました。彼らの思想は、甚だしく状況の異なる現代のわれわれに対しても、とりわけ、時に名利の欲に傾くわれわれに対して、強い訴求力をもって問いかけていると思われるのです。(「あとがき」より抜粋)

著者略歴
高橋文博(たかはし ふみひろ)
1948年群馬県生まれ。1972年東京大学文学部卒業、1977年東京大学大学院博士課程単位取得退学。岡山大学教授を経て、現在は岡山大学名誉教授。博士(人文科学・倫理学)。
主要著書は『近世の心身論』(ぺりかん社、1990年)、『吉田松陰』(清水書院、1998年)、『近世の死生観』(ぺりかん社、2006年)、『近代日本の倫理思想』(思文閣出版、2012年)など。