富は屋を潤し、徳は身を潤す。
心広く体ゆたかなり。
「大学伝六章」

「お金」があれば立派な家に住み快適な暮らしが出来るように、「徳」があれば体には気が巡り潤って充実し、こころも広々として余裕が出てくる。

「お金があれば幸せになれる」と多くの人は思っているかもしれませんが、お金があることと幸せなことは別々のことです。

お金があっても不幸せな人もいれば、お金がなくても幸せな人もいます。
もちろんお金があるに越したことはありませんが、ここではお金のあるなしはまずは置いておいて、どのような心構えがあれば日々満ち足りた生活を送れるのかを説いています。

そしてそれは「徳」であると。

大学に「十目の視るところ、十手の指すところ、それ厳なるかな。(大学伝六章)」と言う言葉があります。人の行動は常に大勢の前にさらされている。その行動を見ている人の目は厳しい、と言う意味です。これら大勢の目にさらされていたとしても、まったく自分の中に恥じる部分がないと言い切れる心境であれば、心広く体ゆたか状態となり気持ちにも余裕が生まれてくるのです。

そのためにも「誠意」をもって「その独りを慎む」行動が大事になります。