雲中の飛龍

王政復古の大号令により政権の座に着いた薩長はさらに徳川の勢力を奪おうと戦を仕掛ける機会をうかがっていた。徳川慶喜は全幕臣に対しくれぐれも薩長の挑発に乗らぬよう通達を出していた。対して薩長は嫌がらせともいえる様々な手で幕府 […]

徳川慶喜の大政奉還を受けた岩倉具視は「王政復古の大号令」を発した。 政権をもてあまし徳川に泣きついてくるだろうという慶喜の思惑は見事にはずれ、これにより徳川幕府は名実ともに滅んだ。 一方方谷の廻りでも動きはあわただしくな […]

慶喜の使った奥の手とは、政権を朝廷に返上するという物だった。政権を返上してしまうと徳川家も一藩にすぎなくなってしまう、しかし慶喜は朝廷には行政の執行能力はなく、徳川に泣きついてくるだろうと読んだ。 大政奉還の決定が慶喜か […]

「徳川氏とともに倒れん」勝静の腹は決まった。しかしこのことは再び方谷を失意のどん底に落とした。 幕府はやっと見えた復権の兆しをもっと確固たる物にしようと、再びターゲットを長州藩に絞った。しかし時すでに遅し。坂本龍馬の仲介 […]

ふがいない!方谷は怒っていた。京都での幕府の度重なる失態を受け、方谷の怒りは頂点に達していた。 「もはや幕府には何の期待も持てません」 方谷は勝静に激しく老中辞職を願った。あまりの方谷の執念に勝静はついに辞職を決意、しか […]

文久3年3月、すでに重要用件の決定は幕府単独で決めることはできず、何でも朝廷にお伺いを立てなければならないまでに幕府は弱体化していた。 江戸に居たのではなにも始まらない。将軍家茂は老中勝静ら3千名をお供にきょうと二条城に […]