山田方谷顕彰会より「孟子養気章講義-山田方谷」が発行されました。

活発に方谷研究をされておられる山田方谷顕彰会より、「孟子養気章講義-山田方谷」が発行されました。執筆は山田方谷顕彰会の渡辺道夫氏、網本善光氏、竹田人士氏、山本邦男氏。
現在読書中のため、書評の替わりに本冒頭のはじめにを引用して本の解説にさせていただきました。
「孟子養気章講義-山田方谷 <はじめに>」より引用
山田方谷(一八〇五~一八七七、名は「球」といい、「方谷」は号)は、幕末の備中松山藩(現在の岡山県高梁市)で、藩の行財政改革に大きな役割を果たしただけでなく、教育者としても数多くの人材を育てました。
ところが、方谷は自身の思想について述べた著作をほとんど残していません。その中で、明治初年に閑谷学校で行った『孟子」の講義録が門人による筆記録として残されています。それが『孟子養気章講義』です。
「養気章」というのは、孟子の思想として有名な「浩然の気」について書かれた章です。そして、その講義の解説書として書かれたのが、方谷の唯一の著作と言われる『孟子養気章或問図解』です。
これらは昭和二十六年(一九五一)に刊行された『山田方谷全集」(山田準編、山田方谷全集刊行会)で読むことができますが、さらに読みやすくなるようにと、今回、現代語訳を試みました。
具体的には、次のことに心掛けました。①原文に基づきながら、なるべくやさしい言葉に直したこと、②人名や儒教の専門用語などに註を加えて、理解の助けとしたこと、③『孟子養気章講義」については、『孟子」本文を三十以上の文節に分けて語釈と解釈をしているのを、論点ごとに十三の章立てに変えたこと、④『孟子養気章或問図解』については、論点ごとの問答形式にしたこと、です。
方谷の思想は「養気の学」と呼ばれますが、特に、自然の働きに従うこと(直養)が必要だと述べています。このたびのこれら著作の現代語訳が方谷の思想を知る手助けになると同時に、方谷の思想を現代に活かすためのきっかけになることを願っています。
なお、この冊子の出版には、福武文化振興財団の助成をいただきました。記して感謝申し上げます。
平成十八年三月
山田方谷顕彰会

 

 

 

孟子養気章講義の入手について

「孟子養気章講義」ですが発行元の山田方谷顕彰会はすでに解散しており本は絶盤で、非売品のため、現在(2017.12)入手は困難です。